純愛は似合わない
速人はフゥと息を吐く。
その表情は陰っていて、何を考えているのか分からない。
いつだって、この人のことを分かったことは無いのだけど。
「……あの人達は、この五年、お前に優しかっただろう?」
自分の両親をあの人達のと呼んだ、速人を訝しく思いながらも即答した。
「そうね、大事にして頂いたと思うわ」
この五年……。いいえ、それ以上の年月。
いつも優しかった美好さんと、忙しい身の上でありながら彼女に対して愛情を隠さない将人さん。
理想の両親像だと思うのは、この何年も母の居ない生活を過ごしたせいかもしれない。
そして父と心を通わせられなくなって、どれ程の時間が経ったことか。
「でも、お前に肝心な話しは一切していない。そうだよな? 」
肝心なこととは、何を示しているのか。
速人はソファに背を預けて、再び目を閉じた。
「……僕は父の……友野将人の実子じゃない。この意味が分かるか? 早紀」
私はストンと膝を落とし、床に正座した。
速人は形の良い瞳を開けて、こちらを眇る。
確かに顔は似て居ない。
だがそれは美好さん似だと思っていたし、何よりも将人とも笹山とも同じ雰囲気を纏っていた。
……友野の人間である証しのような。
「それは……大きな問題になるの?」
「……利害に関わる人間にとっては」
「そのことを知ってる人達が居るのね?」
その表情は陰っていて、何を考えているのか分からない。
いつだって、この人のことを分かったことは無いのだけど。
「……あの人達は、この五年、お前に優しかっただろう?」
自分の両親をあの人達のと呼んだ、速人を訝しく思いながらも即答した。
「そうね、大事にして頂いたと思うわ」
この五年……。いいえ、それ以上の年月。
いつも優しかった美好さんと、忙しい身の上でありながら彼女に対して愛情を隠さない将人さん。
理想の両親像だと思うのは、この何年も母の居ない生活を過ごしたせいかもしれない。
そして父と心を通わせられなくなって、どれ程の時間が経ったことか。
「でも、お前に肝心な話しは一切していない。そうだよな? 」
肝心なこととは、何を示しているのか。
速人はソファに背を預けて、再び目を閉じた。
「……僕は父の……友野将人の実子じゃない。この意味が分かるか? 早紀」
私はストンと膝を落とし、床に正座した。
速人は形の良い瞳を開けて、こちらを眇る。
確かに顔は似て居ない。
だがそれは美好さん似だと思っていたし、何よりも将人とも笹山とも同じ雰囲気を纏っていた。
……友野の人間である証しのような。
「それは……大きな問題になるの?」
「……利害に関わる人間にとっては」
「そのことを知ってる人達が居るのね?」