純愛は似合わない
金曜の午後だからなのだろうか、体が怠くて仕方がなかった。
社食では里沙に心配されてしまったし、本当に疲れているのもしれない。
その上、今日は気を張ってするほどの仕事も無いため、ゆっくりと時間が過ぎていく。
「今日は、私が備品チェックしてくるわ」
パソコンの前に座っているのも辛くなった私は、隣の席の後輩へ声を掛けて備品庫へ向かった。
備品庫は総務課と同じフロア内にあるのだが、非常階段のそばでかなり奥まった場所に位置している。
私は備品庫の鍵を開け、電気を付けた。
空調は動いていても、あまり出入りのないこの部屋の空気はどこか淀んでいた。
何列もある背の高い棚には、メンテナンス用の工具からボールペンに至るまで在庫が管理されている。
また、非常時の備えは部所ごとに用意されているのだが、ここには更にその予備が備蓄されていた。
そのきちんと管理されている中で段ボールが山積みになり、雑然としている一角を見付けた。
先日の防災の日に合わせて、各課足りないものの補充や賞味期限の近い食料の交換を行ったのだが、その後始末がされず適当に積み上げられていたのだ。
はぁ、と小さく息を吐いて、段ボールの山を見た。
さっき後輩に声を掛けた時、やけに慌てていたのはこのせいか。
皆、備品のチェックはするものの、こういう手の汚れるような片付け仕事はやりたがらない。