豹変彼氏~ドラマティックに愛されて~
「でもさー、お前本当に、なんていうか、変わったよ」
「そう? 俺は全然変わってないつもりなんだけど」
「いやいや、相当違うよ。前はさ、舞台の上じゃ相当目立ってたけど、降りたらどうしようもなかったじゃん?」
先輩役者の滝川がそういうと、孝志は声に出して笑う。
「そりゃ、否定しません。だらけた生活大好きだったから」
「ほんとう?」
ゆうみが横から口を出す。
「そうそう。こいつ、すぐ太るんだよ」
滝川が笑いながら続ける。
「忘れてくださいよ、昔のことだし」
「ははは、忘れらんねー。ギャップがすごかったから。あの頃は『ミツミツ』って言いながら、ミツの後ろを追いかけてばっかりいたなあ」
光恵はその言葉を聞いて緊張する。なんだか不安な雲行き。
「ああ、そりゃ、俺、ミツのこと好きでしたから」
孝志はさらっと、そう言った。
「あ、やっぱり? そうじゃねーかと思ってたんだ!」
俄然、滝川の顔が輝きだす。同じテーブルに座っていた他の劇団員達も「なになに」と身体を乗り出して来た。