豹変彼氏~ドラマティックに愛されて~
だんっっ
大きな音がして、テーブルが揺れた。びっくりして隣を見ると、輝がジョッキを手に孝志を睨みつけている。
「どうした、野島」
滝川が驚いて声を上げた。
「佐田さんは、ミツさんにそんな適当なことをしておきながら、勝手に出て行って、置き去りにしたんですか!?!」
輝が怒りを滲ませてそう言った。
「置き去り?」
孝志は輝の熱さとは対照的に、冷静に言葉を発する。
「そうですよ。都合良く彼女の身体だけ楽しんで、それで終わりっすか?」
はああ?
光恵は、輝のすさまじい誤解に、唖然とする。それからはっと我に返った。
「ちょっと、全然そういうんじゃないんだって」
「そうだよ、野島」
孝志は半ば笑いながら、ビールを口にする。明らかに孝志の方が、大人の余裕を見せていた。
輝は更に一層、頭に血が上ったようだ。居酒屋に響き渡るような大きな声で叫ぶ。
「佐田さんが置いてった女性は、素敵な人です。僕はちゃんと、彼女と付き合います。あなたのようないいかげんなことは、絶対にしません!!!」