豹変彼氏~ドラマティックに愛されて~


ミツに会えないまま、舞台が終わってしまうんじゃないか。


孝志はそんな不安にかられる。輝のキス発言にも、かなり心を傷つけられた。気を緩めると、子どものように泣いてしまいそうだ。


この舞台期間中になんとかしないと、ミツとは永遠にお別れになってしまう。


その夜、孝志は気合いを入れて、光恵のアパートへと向かった。ほぼ一年ぶり。でも正直に言うと、何度か車でこの前を通った。運良く顔とか見られないかなあ、と希望を持って。まともに会いに行ったら、また「帰れ」って言われるだろうから。でもこれまで彼女を見かけたことはなかった。つくづく運がないのだ。


なんて言う?
昨日はごめんって、まず謝ろうか。
それとも、それこそ強引にキスかなんかして、モノにしちゃうとか。


孝志はそう考えてから、顔を赤らめた。


ムリムリムリ。
緊張して、そんなことできない。
ミツのことだから、殴られるか、ひっぱたかれるか、とにかく激しく怒るに違いない。


よし、じゃあ、謝るに決めた。


孝志は勇気を出してチャイムを鳴らした。


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