豹変彼氏~ドラマティックに愛されて~


チーズ(キャンディーチーズじゃない!)ピクルスにクラッカーがテーブルに並び、孝志がグラスに赤ワインを注ぐ。


孝志は光恵の隣に座り、グラスを持った。
膝が触れ合うぐらいの距離。


何をそんなに、緊張する必要があるの?
だって、孝志だよ?!
あの、小デブの、孝志!!!


光恵は懸命に笑顔を作り、グラスを手に持った。


「舞台はどう?」
「うん、まあまあ」
孝志が言う。


「今度また見に行こうかな、もうすぐ初日だし」
「いいよ、来なくて。初日に取っておいて」
孝志が自信ありげに笑った。


スランプから脱したのかしら? それなら一安心だけど。


すると孝志が光恵を真剣な顔で見る。


「野島には、なんて話した?」
孝志が訊ねた。



「……何もいってない」
光恵は視線をそらす。


「なんでさ」
「だって、もうすぐ舞台だし、なんていうか精神的なことを配慮して……」
「……ふうん」


孝志が表情を変えず、ワインを飲む。


あ、怒ったかな?


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