豹変彼氏~ドラマティックに愛されて~


「……なんの?」
「この先にする、なんていうか、分かるよね?」
「えっと、なんで必要なんでしょう」
「だってさ」


孝志はそこで顔を赤らめる。


「はじめてだし」


やっぱり、そうか。
そうじゃあないかとは思ってたんだけど。


「台本はなくても、フィーリングで、できない?」
「できない」


孝志はきっぱりと言い切った。「詳細まで書いてくれないと」


光恵は孝志を押しのけて、身体を起こす。


「わたしは、エロ小説家じゃありません!!!」
「えー、じゃあ、どうしたらいんだよっ。俺、台本があったら、完璧だよ?」
「そりゃ、わかるけど、そういうもんじゃあ、ないんだよ」


盛り上がった気分を、返してくれ、このやろ。


「あ、ミツ、めちゃくちゃがっかりしてる」
孝志の顔に悲壮感が漂った。


「だって、ここまで、あまりにも完璧で、期待しちゃったから」
「ひどっ」


孝志がふくれる。


「俺はミツに、最初を捧げたいんだ!」
「女子高生?」
「違うよ!!! なんだよ? ミツは俺が他の人としてもいいっていうのか?」
「それは嫌だけど……。ほら、あんな映画撮ってるからさあ、脱がすのも、愛撫も上手だったし」
「!!! ミツ、あれ見たの?! 駄目だよ見ちゃ! 恥ずかしいじゃないか。だいたい、あれは、監督が『つぎ、肩の紐を下ろして』とか、全部指示してくれるからできたんだっ」
「へー」


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