豹変彼氏~ドラマティックに愛されて~
「何やった?」
光恵は思わず孝志に詰め寄った。
「えっと、お休みを久しぶりにもらって、羽を伸ばしたらこんなんなっちゃった」
「はあ?」
「だって、ずっと仕事ばっかりだったんだよ? 休みなしだよ。酷いよ、人権無視だよ」
孝志は、唇を不服そうに尖らせた。
「ほぼ一年ぶりにお休みもらったから、家でごろごろしたんだ。そしたら、こうなった」
孝志は首をすくめる。
「でも気づいたんだよね。一ヶ月後にプレミアム試写会があって、舞台にでなくちゃいけないんだ。それでミツの顔が頭に浮かんだ」
「……わたしじゃなくても……事務所の人にお願いしたら?」
光恵は我がままをなだめるように、そっと孝志に提案してみた。
「ええ!? やだよ、そんなの。休みなのに、事務所の監視付き? 冗談じゃないね!」
孝志がふてくされたように言う。
デブが言うと、どうしてこんなにふてぶてしいんだ。