豹変彼氏~ドラマティックに愛されて~
『千佐子に会って、俺はおかしくなった。自分が哀れで仕方ないんだ……千佐子と俺では違いすぎるから』
『同じ人間です』
光恵は動揺しながらも、必死に台本を読んだ。
孝志の目が違う。ぜんぜん違う。
先ほどまでの柔らな光は消え、今は痛みに耐えているように鈍く光ってる。
『もう逃げるのをやめて、警察に行きましょう。わたしが付き添うから』
光恵は慌てすぎて、声が震えてしまう。目をそらしたいのに、孝志に惹き付けられてしまっていた。
『……待ってくれるのか?』
孝志が光恵の腕に手を添えた。まるで触れたら壊れてしまうかのように、おびえながら。
『はい……あなたが望むなら』
孝志の様子に、光恵は心が痛んでくる。彼を守ってあげなくては、という気持ちになっていた。
光恵は自然と彼の身体を抱きしめた。いたわるように、まるで子どもをあやすように。
緊張で力の入っていた孝志の身体から、徐々に力が抜けて行く。光恵が孝志の髪を指に絡ませて、優しく頭を撫でると、孝志は光恵の身体が反り返るほど強く抱きしめた。