13年目のやさしい願い


翌日の金曜日も、朝からやけに身体が重かった。

それでも、目覚まし時計の音だけで起きることができたし、休んだ方が良いんじゃないって、心の声をはねのけて登校した。

それなのに、裏口でわたしの顔を見ると、カナは眉をひそめ、



「……どうして、誰も止めないんだよ」



と、憤ったようにつぶやいた。



ママは夜勤から帰ってなくて、パパはまた出張中。

沙代さんには、休んだ方がいいんじゃないかって言われた。

それでも、後一日だからと、しんどかったら帰ってくるからと言うと、「ムリしないでくださいね」と心配そうに送り出してくれた。



カナの言葉にチクリと胸が痛んだ。

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