13年目のやさしい願い
瑞希ちゃんと出会う前のわたしは、一人がつまらなくて、小児科のプレイルームに行っては、
疎外感を感じて、居心地の悪さに、部屋に戻る毎日だった。
「特室の子」
って呼ばれて、いつも特別扱い。
小児科の大部屋に入院することはなくて、わたしは、いつも特別室だったから。
診療科が違うママや医院長のおじいちゃんが、時間を見つけては出入りするし、
パパも面会時間を気にせずに、わたしに会いに来たいからって、
わたしを大部屋に入れようなんて、誰も考えもしてなかった。
「意地悪したら、病院から追い出されるんだぜ」
「医院長の孫だもんな」
「オレたちの病気、治してもらえなかったりして」
「うわ、カンベンッ!」
一ヶ月、二ヶ月と入院する子も多くて、
わたしの家のことを知ってる子も多くて、
……そんな言葉も耳にした。