13年目のやさしい願い


初めて会った時、わたしは6歳の小学1年生。

裕也くんは高校2年生だった。

小さなわたしからしたら、大きな大きな裕也くんは、まるで大人みたいなものだった。

だけど、うっかり、瑞希ちゃんが呼ぶように「裕也くん」って言ってしまって、

何かおかしいなって、どう呼べばいいんだろうと思っていたら、裕也くんは「それで、いいよ」って言ってくれた。

それから、ずっと「裕也くん」って呼んでいる。



あの頃。

受験生になって、その後、医大生になった裕也くん。

受験生でも医学生でも、どちらにしても忙しかったと思うのに、瑞希ちゃんが入院すると、ほとんど毎日、病院に来ていた裕也くん。

面会時間終了後でも、コッソリと瑞希ちゃんの部屋に忍び込んで、よく怒られていた。

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