13年目のやさしい願い
「信じられないよね!? なんで、わざわざ人の病気のことあげつらって、いじめようとするかな?」
怒りながら泣いている子。
「わかるわかる! みんな一緒だよ」
その子の肩を抱いて、慰める子。
「わたしだってさ……」
って、体験談が始まる。
わたしにも、いつか降りかかってくると思っていたのに、覚悟していたのに、
いつまで経っても、わたしのところに、その試練は訪れなかった。
それが、カナのおかげだと気づいたのは、いつだっただろうか?
カナがいつも隣にいるわけではない。
だから、いつかは降りかかってくるだろうと思っていた。
覚悟していた。
毎年、考えていた。
今年は、カナと離れるかな。
別のクラスになったら、友だち、ちゃんとできるかな。
でも、毎年、カナとは同じクラスだった。
「腐れ縁だな!」
とカナが明るく笑うから、まさか、カナがウソをついているなんて、思いもしなかった。