13年目のやさしい願い
……ああ。
そうか。
そうだったんだ。
……わたし、後ろめたいんだ。
わたしだけ、
わたしだけ、ズルをして、
みんながツライ思いをしている時に、
ひとりだけ守られて、
ぬくぬくと過ごしていたことが、
わたし、後ろめたいんだ。
「負けないでね」
瑞希ちゃんの声を、その腕のぬくもりを感じながら、目が覚めた。
目が覚めたことで、自分がいつの間にか眠っていたことに気がついた。
全身に汗をかいていた。
やけに心臓が煽っていた。
時計を見ると、まださっき起きてから、30分しか経っていなかった。