13年目のやさしい願い
保健室に飛び込み、ハルがいるはずのベッドに向かって走るつもりが、そこに思いがけないものを見つけて、オレの足は止まった。
ハルが寝るベッドのカーテンが半分開いていた。
なのに、ハルの姿は見えなかった。
代わりに目に飛び込んで来たのは、制服姿の男女2人。
振り返った2人は、揃って目を大きく見開いて、オレの顔を見ていた。
一人は、一ヶ谷悟。
それから……
ちょっと、待て!?
おい、なんで、コイツがここにいるんだ!?
そこにいたのは、先週、オレが交通事故から助けた女の子だった。
あの日見たのは、別の学校の制服だったのに、今日着ているのは、まぎれもなくうちの制服だった。