13年目のやさしい願い
2人が揃って、「しまった!」というような顔をしているのを見て取り、オレは嫌な予感がして、ハルの元へと再び足を動かした。
オレが行くと、2人はスッと左右に割れた。
ようやく、ハルの姿が目に入った。
ハルはベッドの上に身体を起こし、座っていた。
良かった!!
顔色は良くないけど、
息苦しそうにしているけど、
もちろん意識はあるし、とにかく無事だった!!
「カナ。……ごめんね」
「なに、謝ってるの?」
オレは笑顔すら見せてハルにスッと近づくと、腰をかがめて、ハルの頭をそっと抱き寄せた。
息が荒い。
呼吸で肩が上下する。
「大丈夫?」
オレは、ハルの背をそっとなでた。