13年目のやさしい願い


「相変わらず、仲良いね」



楽しげに出ていった2人を見送った後、ハルに笑いかけると、ハルも嬉しそうに笑い返してくれた。



「……まだ、兄貴は残ってるんだけど、目には入らないのかな?」



と、明兄が笑いながらオレの頭をゴンとゲンコツで叩いた。



「明兄~」



けっこう本気で叩くんだよな。

オレが抗議の声を上げると、明兄は悠然と腰に手を当てた。



ハルが真ん丸な大きな目をしているのに、明兄は切れ長の涼しげな目元。

ハルが色素薄めのふわふわの髪なのに、明兄は漆黒のサラサラストレート。

更に、高校生になった頃からかけはじめたのは、秀才っぷりをアピールするような銀縁の眼鏡。

まったく似ていない2人だけど、間違いなく、揃って人目を惹く、整った容姿の兄妹だった。



「オレ、人前だろうが、2人きりだろうが、態度変えないことにしてるから」

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