13年目のやさしい願い
オレの言葉を聞くと、明兄はオレをジッと見つめてきた。
半端ない眼力だけど、負けない。
だから、オレ、本気でハルが好きなんだって。
誰かに隠す必要とか、遠慮する必要とか、まったく感じてないんだから。
オレ、4歳の時から、ハルが大好きだって公言してるんだから、明兄だって知ってるだろ?
「いい度胸だ」
たっぷり10秒くらいオレを半ば睨みつけるように見つめた後、明兄は、ふっと笑顔を浮かべた。
ハルは熱が高くてしんどいのか、困ったような顔をしながらも、口は挟まず、ただオレの手を握っていた。
その手の熱さが、やけに気になる。
ハルの手はいつもは、心配になるくらい冷たいから。
「オレが側にいたら、守ってやるのにな」
明兄がハルの頭を優しくなでた。