箱の中の苺/S


静かなかけひきが、
一層感情を高めていく。

見えない相手に、
どんどん夢中になる。


それがなんとなく、
自分自身で心地いい。




僕は華に
「会いたい」と思わせたくて

華も僕に
「会いたい」と言わせたいのだろう。



そんなことが達成したところで、二人には何もない。

むしろ達成した時に、二人は終わってしまうのではないかとも思う。




『華:レイは どんなタイプの子が好き?』

『レイ:さぁ 華みたいに冷たい子は苦手かも』

『華:あらそう 残念ね』

『レイ:華は? どんなやつがタイプ?』

『華:優しい人(笑』

『レイ:はいはい 僕じゃないってことね』



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