極彩色のクオーレ
そして肝心のニコは、鉄くずに紛れるようにして倒れていた。
セドナの脳裏に最悪な事態がさっと過ぎる。
「おい、ニコ!大丈夫か!?」
「ぼちぼちです」
ニコはむくりと起き上がり振り返る。
その姿に思わずセドナはひくっと喉を鳴らし、それを聞き逃さなかったティファニーは細布を巻き終えてそちらを向いた。
「ニコ、本当に大丈夫なの?」
「さっきの爆発で両腕と左足、それと顔の一部の合成樹脂膜が破けただけですからね。
こんなのかすり傷にもなりませんよ。
今日はちゃんと材料も持ってきてあるのですぐに直せます、安心してください」
(いや、破けたってレベルじゃねえぞそれ!?)
口にするわけにもいかないので、セドナは心の中で思い切り突っ込んだ。
合成樹脂膜はズル剥けと表現するのが適切なほど豪快に破けている。
炭素繊維と人工筋肉、そして内蔵されているナイフまで丸見え状態だ。
彼が人間だったら間違いなく死んでいる。
(あんな危ねえモン投げやがって。連中は本気で俺たちを殺すつもりだったのかよ……?)
瞬く間に合成樹脂膜を張り直していくニコを見ながらセドナは思案に落ちる。
が、演説台のあるこの広場に繋がる道の全方向から聞こえてくる声と、猟師たちを先頭に走ってくる集団を見てそうもいかなくなった。