極彩色のクオーレ
「ティファニー、あんまり僕たちの手を煩わせないでくれないかな?
変に抵抗しないでおとなしく従ってくれれば、こちらも手荒なことはしないよ」
優しい声にティファニーは寒気を覚えた。
森の中で耳打ちされた言葉が頭の中に反響する。
セドナの肩に載せている手が震え始めた。
そこに手を重ねてセドナはティファニーを庇い、先頭まで来たセイクリッドたちに対峙した。
「何が手荒なまねはしない、だ、信用できないな。
家にいていきなり猟師に乱入されて撃ち殺されそうになりゃ抵抗ぐらいするだろ。
ティファニーがやったって確固たる証拠もないくせに、お前の思い込みなんじゃねえのか?」
「じゃあ、君たちにはティファニーが無実だという確固たる証拠があるのか?」
とっさに反論しようとしたが、考えてみればそんなものはなかった。
行き場を失った言葉が喉口にぶつかり奇妙な音を出す。
それを見たセイクリッドはにっと笑い、憐れむような目つきでセドナを見た。
「君たちがティファニーが無実だと主張するのは、彼女が自分のせいではないと言うからだろ?
それに、今まで長い間彼女の傍にいたから、そんなことをするはずがないって思い込んでるだけかもしれないよ。
彼女自身が気づいていない可能性だってある」
セドナの背中に嫌な汗が滲んだ。
それは全身の痛みのせいではない。