極彩色のクオーレ
「もちろん、君たちの主張を頭ごなしに否定するつもりはないよ。
僕の方も、僕の国が集めた情報が信憑性の高いものか否かの吟味を行っていないところは認めよう。
成人を迎える『彩霞ノ民』がヨリジェからいなくなったことと、それきりヨリジェで大規模な災害が発生しなくなったこととは、もしかしたら偶然なのかもしれない。
だが、少なくとも君たちの主張よりは信ずるに値するとは思っているんだ」
セイクリッドが柔らかな声で、しかし相手を自分のペースに引き込む話し方をする。
これはまずい。
どうにかこちらの言い分を聞き入れてもらえそうな雰囲気に持ってきたのに、あっという間に元通りだ。
しかもセイクリッドの登場によって、先ほどよりも集団全体の意識がまとまりつつある。
おまけに彼はラリマーに負けず劣らずの口達者だ、ひっくり返すのは容易ではない。
セドナは前を見据えたまま小さく舌打ちし、不安になっているであろうティファニーの手を強く握った。
「それで僕は、元凶である可能性が最も高いティファニーをルースの外へ出す方法にたどり着いた。
ティファニー、君は『彩霞ノ民』の子であるうえに、もうすぐ16になる。
君がルースから遠く離れてくれればこの災害は終わるはずなんだよ。
だから僕たちに協力してほしい……大丈夫、君を傷つける真似はしないから」