極彩色のクオーレ
ニコもまた、静かにセイクリッドの様子を見つめていた。
心が他の人よりも見えにくいセイクリッドであるが、偽りを述べていないことだけは分かる。
『彩霞ノ民』が災害を引き起こすこと、そしてティファニーをルースから遠ざければ解決するのだと本当に思っているのだ。
そうだと分かるのに、どうにも拭えない違和感を天色の双眸から感じるのは何故だろうか。
「フン、ようやくおとなしくなったか。
まったく変なことを言ってビビらせてくれるぜ」
セイクリッドが現れてから、困惑した表情でやりとりを見守っていた狩猟頭が、調子を取り戻してだみ声を張り上げた。
我に返った様子で猟師たちも銃をとり、他の住人たちもそれぞれが持ってきた武器を握りしめる。
「そうだそうだ、やっぱりお前らの仕業なんだな!」
「証拠もないのに無罪を主張するんじゃねえ!」
「おとなしく自分のせいだって素直に認めたらどうなんだ!?」
住人たちの勢いが膨らんでいく。
セドナは片っ端からぶん殴って黙らせたくなったが、彼らを納得させる術が見つからず立ち上がるのも辛くて歯噛みした。
己の勝利を確信した顔で銃を降ろすセイクリッドを見ていると、自分の無力さを突きつけられている気分になる。
権力にも人数にも武力にも屈したくないのに、護りたい人がいるのに、どうしてこんなに弱いのだろうか。
痛みに呻くしかできないなんて情けすぎる。