極彩色のクオーレ
セイクリッドの笑みが深まった。
悔しげな様子でいるセドナからティファニーに目を向ける。
「さあティファニー、君は賢い子だから、どうすればいいか分かるよね」
動けず固まっていたティファニーは、その優しい声に悲鳴をあげそうになった。
震える身に両腕を引き寄せ、きゅっと抱きしめる。
追い詰められた。
もうどこにも逃げ道はない。
絶望感が全身にじわりじわりと広がっていく。
(……やっぱり、私がルースから離れるしかないのかな)
「わ、私は……」
「ティファニー」
ニコがティファニーの肩に手を置いて遮った。
戸惑うように首を動かすティファニーに耳打ちする。
「大丈夫ですから、君が自分の心にそむく必要はありません」
「え?」
ニコは尋ね返したティファニーを見ずに、セイクリッドたちの前に出た。
群衆がわずかに静まる。
セイクリッドもやや驚いた表情になったが、すぐに優しく笑った。
――ぢり。
ニコの左胸で、また音が生まれる。
「やあ、ニコ。君の大切な主人をこんな目に遭わせてしまってすまない。
だけど、分かってくれないかな?
ここで起こっていることを解決するための最善策なんだ」