極彩色のクオーレ
人間は臆病な生き物だ。
自分の生命を脅かそうとするものが身近にあれば、徹底的に排除しようとする。
そこにある善悪など関係ない。
自分の命が守られるのであれば、悪に味方してもいい。
だから、彼らはニコたちに刃を向けるのだ。
セイクリッドという「英雄」を立てて、自分たちの側を正しいと強調して、それに真っ向からぶつかるニコたちを潰そうとしている。
人間の世界は、強い方が「正義」となり、弱い方が「悪」となる。
本当の立場が逆だったとしても。
正直なところ、ニコも何が正しくて何が間違っているか分からなくなっていた。
だが、こちらの言い分を聞き入れてもらえていないという状況だけは理解している。
ティファニーが多勢の理不尽な圧力で「悪」にされそうになっている。
そのことだけは避けたいと心から思った。
ニコが口を開こうとした瞬間、さらに怒った声が弾丸のごとく降ってきた。
「ごちゃごちゃ喧しいんだよ、ゴーレムのくせに!」
「そうだそうだ、どんなにすげえ技術を持っていても、所詮てめえは人間の模倣品なんだよ!」
「てめえは人間のために作られたんだろ!だったら人間様の邪魔するな!」
「口出しすんじゃねえよ、黙っておとなしくしてやがれ!」
「ゴーレムの分際で出しゃばってくんな!」