極彩色のクオーレ
さらに罵声が重なって飛ぶ。
群衆の中でその罵声に同意する者もいれば、困惑する者や理解が追い付かない表情を浮かべる者もいた。
ニコがゴーレムであることを知る人は増えてきているが、それはニコといくらか交流の多い者だけだ。
そしてその誰もが、ニコの正体を知っても態度を変えたり見下したりしなかった。
一人の人間として、ティファニーと同じように接してくれたのだ。
なのに今、たった一つの嘘か本当かも定かでない疑いが生まれただけで、態度が豹変された。
ゴーレムのくせに。
ゴーレムの分際で。
ニコが恐れていた言葉をぶつけられた。
聞きたくない言葉を向けられた。
ぢり、ぢり。
けれども怖いという感情は働かない。
ティファニーの気持ちを考えず自分の思い通りに事を運ぼうとするセイクリッドも、手のひらを返した態度をとる住人たちも許せないという気持ちが、代わりに強く熱湯のように湧き上がった。
ぢり、ぢり、ぢりぢりぢりぢり。
いつの間にか群衆の形にならない声は、「出ていけ」という一つの言葉に集結していく。
その言葉を聞くごとに、ニコの身体の中で反響するたびに、左胸の音が長く不穏に休みなく続き始めた。