極彩色のクオーレ





そしてルースに来て、もっと人と深くかかわることになった。


自分がゴーレムだと知りながらも人間として、仲間として、家族として、ゴーレムであることをついうっかり失念されてしまうくらい対等に接してもらえた。


そうしていくつもの明るい心を教えてもらった。


約一年半の間で、戦地とは異なる人間の弱さや強さを薄荷色の瞳を通して見てきた。


その記憶が、人々の声が、大きな波となってニコの青い羅針盤を潤す。


波と青い光によって、暴走していた暗い心が徐々に収まっていく。


ニコの胸のあたりにはティファニーの手があって、ニコの服をぎゅっと掴んでいた。


その白く華奢な手から、記憶の波から、温もりが伝わってくる。


まるで大地を照らす太陽の光のように、赤子を抱く母の腕のように、その温もりはニコをそっと包み込んだ。



(そうだ……人間は弱い生き物だ。


でも、他人を思いやることで揺るぎない絆を結んでいくんだ。


そしてそれはどんな武器よりも強いものになる。


武器と違って、暗い感情じゃなくて人々の間に明るい感情や安らぎや暖かさを生み出す。


ぼくが最初に覚えた負の感情と同じだ。


この心もみんな、人間なら誰でも持っているものなんだ……)




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