極彩色のクオーレ





薄荷色の瞳とかち合い、狩猟頭が蛇に睨まれた蛙のような反応をする。


セイクリッドの表情から余裕がわずかだが消えた。



「いい加減にしてください!」



ニコから発せられた怒鳴り声に、人々の掛け声はぴたりと止まった。


今まで一度も聞いたことのない彼の怒声にセドナやティファニーまでびっくりする。


群衆の方へ一歩踏み出して、ニコは心から溢れ出てくる気持ちを口から発した。



「どうしてティファニーのせいだと決め付けるんですか。


自分の心で判断せずに、強い力を持つ誰かの意見に身を任せて従うのはどうしてです。


なぜ誰も確かめようと思わないんですか。


伝聞だけを鵜呑みしてそれですべてを判断するのはなぜですか」



言葉をぶつければぶつけるほど、ニコの心にある赤墨色をした『怒り』の針が反応する。


けれどもその心はもうニコを呑みこもうとはしてこなかった。


ニコが自分のためでなく、大切なティファニーの為に怒っているからだ。


だから反応しながらも、黒々とした靄にならずニコの姿を内側から静観している。


すっかりセイクリッドの思惑通りになってしまっている人々の心へ訴えかける力をニコに貸した。




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