極彩色のクオーレ
「パライバの誕生日の前日、ヨリジェと協定を結ぶための協議会があるんだってさ。
しかもリシャーナとヨリジェの街長やら村長やらが総出で参加することになっているから、タンザも次期街長として行かなきゃならなくなったんだってよ。
国外の仕事は初めてだから胃が痛いって、この間会ったときに頭を抱えていたぜ」
「あいつも大変そうだな……まあ、それ承知でクロアと結婚したんだろうけど。
ハック、お前あいつの力になってやれよ。
あいつ神経質だし、ストレス感じすぎておかしな道に行きそうになったら止めるんだぞ」
セドナはくわえていたスプーンをハックに向けた。
表情は一転して真面目なものになっている。
これはタンザがクロアと結ばれてから、何度もハックに言っていることだった。
その背景には、やはりセイクリッドの存在があるのだろう。
祖国のことを思いすぎるあまり、彼は決して許されない行為に走ってしまった。
いくら自分の国のためとはいえ、それに無関係な人間を巻き込んでいいというはずはない。
もしタンザが彼と同じ道を行きそうになってしまったら……セドナはそれを心配しているのだ。
そしてそうならない様に、こうしてハックによく言っている。
これは長い間タンザと付き合ってきたハックにしかできないことだからだ。
「ああ、分かってるよ。そのための腐れ縁みたいなもんだしな」
ハックは頷いてアイスコーヒーを飲む。
セドナも食事を口に運び、しばらく二人の間に無言が流れた。
お互いに、セイクリッドのことを思い出しているのだ。