極彩色のクオーレ





壊れた瞬間のことをハックは直接知らない。


鉄鳥に乗って戻ってきたラリマーにタンザたちと一緒に丘で何があったのかを伝えられ、ティファニーがセイクリッドに平手打ちの制裁を与えるところを見届けた。


それから全員でクラウンのティファニーの家へ向かい、壊れたニコを庭に埋葬した。


分解してまた別の物に造り変えようかとシャロアに提案されたが、ティファニーはそれを丁重に断った。


ニコはもう十分動き続けたから、これからはゆっくり休んでもらいたい。


そう言ってティファニーは破損したニコの心臓以外を埋めたのだった。


ハックたちは、命日には欠かさず花を手向けている。


それからしばらくの間、ティファニーは家に閉じこもっていた。


謝罪に訪れた人は何人かいたけれど、誰にも会おうとしなかったのだ。


仲間であるハックたちでさえ拒まれてしまった。


ただ、セドナだけを除いて。



(……こいつがいなかったら、ティファニーはもう二度と誰にも心を開けなくなっていただろうな。


まだ閉じこもっているかもしれないし、下手すりゃ……。


セドナが真っ直ぐにティファニーと向き合ってやったから、ティファニーは立ち直れたんだ)



工房を休み、大切な人の傍にできるだけ長く居ようとするセドナの姿勢は強かった。


だからティファニーはセドナにだけは心を許していたのだ。




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