極彩色のクオーレ
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花の盛りを迎えさらに大きくなった街のざわめきが、森の奥まで届いてくる。
クラウンの森に建つ赤い屋根の家にも、その季節はもちろん訪れていた。
丁寧に整えられた庭には、小さくかわいらしい花から誇らしげな大輪までいくつも開いている。
それらを何本か摘み取った花瓶が、テーブルに飾ってあった。
リビアが指を伸ばして桃色の花弁をつつくと、そこに載っていた露がぱたりと落ちた。
今日は一人でのんびり歩きたい気分だったので、レムリアンは連れて来ていない。
「ほんっと、ティファニーの家の花はきれいに咲くわね。羨ましいわ。
あたしの庭の花たちに見せてやりたい」
本気とも冗談ともとれる口調に苦笑いをしながらティファニーが台所から出てきた。
その顔に目隠しは巻かれていない。
トレイに置いた紅茶をカップに注ぎ、サブレと一緒に出す。
「リビアの家のお花もきれいだよ。
この前遊びに行ったとき、椿と牡丹の花がすごくきれいに咲いてたじゃない」
ティファニーは心からそう感じたことを伝えたが、リビアはテーブルに肘をつき、手首から上をひらひら振った。
背もたれによりかかって紅茶を飲む。