極彩色のクオーレ
無言の間が流れ、枝がさわさわと揺れる涼やかな音が大きく聞こえる。
ケセラが目も見開き、ギベオンに向いた。
両手で口を塞いで、セドナも仕掛け職人を見下ろす。
ギベオンは何も言わず、ケセラたちから表情が分からないよう顔をそらしていた。
「2人とも、気づいていなかったんですか?」
「え、あ、お、おう……。むしろお前ら、よく女の子だって見抜いたな?」
「初めて会った時から気づいていましたが」
「わ、私も……男の子口調の女の子だなあって、声聞きながら思っていたよ」
(この主従コンビは……)
額に拳をあてて、セドナは息を吐いた。
「すっかり騙されてた……。今まで平気で女の子殴ろうとしてたとか、俺かなり最低なやつじゃん」
セドナの言葉を聞いて、ギベオンの手がピクリと震えた。
強く唇を噛んだが、彼の、否、彼女の顔が見えないニコたちは気づかない。
「ギベオン……本当に、女の子だったの?」
ケセラが恐る恐る尋ねる。
するとギベオンは無言で立ち上がり、彼らに背を向けて歩き出した。
慌ててケセラも立ち、彼女の腕を掴まえる。
「ぎ、ギベオン、待って。
……もしかして、怒ってる?」
「バカなやつだって、思ってるんだろ」
「あ……え、と?」
足を止めたが振り向かず、感情を押し殺した声でギベオンが言った。
ケセラは意味が理解できずに困惑する。