極彩色のクオーレ
ティファニーに背を向けたまま、セドナが意地悪く言った。
「いいのか?ラリマー。ニコに『健全』の意味を教えてやらないで」
「あはははははは何の話だ、セドナ?
ほら、ニコも座ってないで早く運ぶぞ」
「え?でもまだ、さっきの『下』の話も途中で」
「こまけえこたぁいんだよ!
ティファニー、台所どこだ!?」
ニコを遮って大声を張り、ラリマーがドアを開けて廊下の奥に向かう。
そっちはお風呂場だよ、とティファニーが慌てて後を追った。
取り残されて首をひねるニコの隣で、セドナが腹を抱えてひーひー苦しそうに笑っている。
「……どうしたんですか?」
「い、いや、なんでもねえよ。
お前が面白いぐらい純粋でさ……くくっ、あのラリマーの慌てっぷり!
しばらくこのネタでいじり続けてやろう」
セドナの笑いの波は、なかなか止まなかった。
料理を盛り付けた皿を持って戻ってきたラリマーが赤面して怒り、どうして笑っているのか尋ねるティファニーに別の話題を振って、何とか気をそらそうと努力する。
(そんなに聞かれたくないことなら、最初からティファニーの家で話さなければよかったのに)
正論を頭に浮かべながら、ニコも食事の準備を手伝った。