極彩色のクオーレ
慌ただしく準備を終え、夕食を始める。
ラリマーが料理の味について言ったり、いつものように小さなお客たちにふるまったりして、落ち着いた雰囲気になったのはテーブルの料理が半分ほどなくなってからだった。
紅茶を飲みほして、ラリマーは本題に移った。
「シャロアと知り合ったのは2年前、リシャーナの隣国、ヨリジェの端の村でだ。
ばあさんの財布を引ったくったバカを捕まえるときに、ちょっと協力したのがきっかけなんだよ。
あのときは、まさかあいつがかの有名な『天才』だとは思いもしなかったけどな」
パンに手を伸ばしかけて、ニコが目を瞬かせる。
「マスターが、人助けを?」
「うーん、引ったくりが逃げた先にあいつがいたから捕まえてくれたってだけで、積極的に追いかけてはいなかったな。
そんなに変なのか?あいつが人を助けるの」
「はい」
ニコは真顔で即答した。
「あの性格の悪いマスターがそんな善良的なことをするとは思いもしませんでした」
「え、お前がそこまで言っちゃうくらいひどいのか?
それっぽいような気はしてたけど」
「彼以上に意地悪な人を見たことがありません」
(こいつがここまで言うくらいか……)
セドナは気になったが、話が脱線するといけないのでそれ以上聞かなかった。