極彩色のクオーレ
ニコがそちらを向くと、ますます嫌そうに下がった。
どうしたのかとニコは不思議に感じる。
「なんですか?」
「普段はなんと言うか、もっと優しい……うーん、素直?
もっとかわいいなって感じがするんだけど。
『マスター』の話になった途端に、言い方が悪くなったよな」
「そうですか?」
「言葉遣いは変わらねえけど、何だろうな、言葉の端々に毒を感じる。
ゴーレムは造主に似るっていうから、きっとそこが似たんだろうな」
言われたニコは指先で唇を押してみる。
ゼラチン状になった合成樹脂の感触が返ってきた。
ラリマーが腕を組んで大げさに唸る。
「言われてみれば確かにな、嫌いな人間の話をするやつみたいだ。
しかも敬語ってところが怖い」
「ああ。どっかの放浪癖孫のこと話している俺そっくりだ。
俺は敬語なんてしゃべんないけど」
深く頷きかけて、ラリマーががばっと顔をあげた。
「うんう……って、おい、セドナ!
お前今さらっと何か悪口言わなかったか!?」
「あ?なんでもねえよ、二回目はねえよ」
つっけんどんに返し、セドナは横を向いてお茶を飲んだ。
ちっとラリマーが小さく舌打ちする。