極彩色のクオーレ
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東の山端に、青白い光を纏った月がのぼる。
欠けているせいだろう、今日はいつもより見えるのが遅い。
ルースの南部、森と草原との境目に建つ空き家で、レムリアンは寝ころびながら朽ち落ちた屋根の穴から空を見上げていた。
獣たちは寝静まっているようで、啼き声が聞こえない。
耳に入るのは木々のざわめきだけで、少しだけ不気味だ。
「ア」
紫色の瞳がくるんと回る。
たくさんの星がまたたく夜空。
その南天に、一筋の光がスッと流れた。
流れ星である。
レムリアンは身体を起こして、じっと食い入るようにその辺りを見つめた。
また一つ、光が走る。
今度は先ほどよりも尾が長く伸びた。
「流レ星……」
『レムリアン、流れ星に向かってお願いするとね、神様がそれを叶えてくれるのよ。
あんたもお願いしてみなさいよ』
いつだったか、リビアと二人で夜空を見ていたとき、彼女はレムリアンにそう言った。
レムリアンは造主に倣って両手を組んだが、叶えたい願いは何もなく、ポーズだけをとった。
けれど、今は違う。
両手の指を絡め、レムリアンはまた星が流れ消えるのを待った。