極彩色のクオーレ
空を見つめているが、心はリビアの方へと流れていく。
2年前、生まれたときからずっと傍にいる人形職人の少女。
リビアは明るくハキハキとした性格で、街の男の子とのケンカも負けたことがないくらい元気だった。
何も知らないレムリアンの腕を引いて外に出て、彼が初めて見るもの、感じるものについて教えてくれた。
レムリアンはゴーレムというのもあり、表情がかなり乏しい。
そんな彼の代わりになのか、リビアは笑ったり、怒ったり、泣いたりと、たくさん表情を動かしていた。
『これからもずっと、あたしと一緒にいてね。
あたしの傍で、あたしを守ってちょうだい、レムリアン』
レムリアンの手をつなぎながら、リビアがそう優しく言ってくれたこともあった。
高飛車な物言いをするけれど、本当は親しい人たちを大切に想っている。
だからレムリアンも、彼女が大好きだった。
それなのに……。
『あんた、この家から出て行って』
あの日突然、リビアからそう冷たく命令された。
訳を聞いても「不完全だから」「完璧じゃないから」と答えられるばかり。
本心なのか、それとも本心を隠すための嘘なのか、リビアに似た人格をもらったレムリアンでも分からなかった。
彼女が操る大型人形に捕まり、レムリアンは外へ放り出された。
あれ以来、リビアの家には戻れていない。
街で姿を見かけても、今日のようにあしらわれるばかりだ。
「……君はどうしテ、そんナニ完璧を求メルのダ?」
空に向かって、レムリアンは呟く。
もう星が流れることはなかった。