極彩色のクオーレ
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夜明けを感じた鳥のさえずりを聞いて、ニコは目を覚ました。
起き上がって窓を開け、外のひんやりとした空気を部屋に取りこむ。
森から見える空は、藍色が薄くなり出したばかりだ。
「……うん?」
いつものように身体の点検を始めたニコは、胸にある慣れない感触に気づいた。
確認してみると、それは首から下げた紐に通した、部屋の鍵だった。
ところどころのメッキが剥げ、錆もついている。
「あれ、これは何でしたっけ?」
紐を首から外し、左人差し指でくるくる回しながら、ニコは唇を尖らせる。
しばらくそうしてから、「あっ」と声をあげて思い出した。
紐が指から離れ、隅に置いてある棍棒に当たる。
「そうだ、これは書室の鍵でしたね」
昨夜、セドナが帰宅する際にニコとラリマーに注意した。
「ラリマー、てめえ、ティファニーに何かしたらタダじゃ済まさねえからな」
「うわっ、嫌だねー、あらぬ疑いをかけてくるなんて。
オレ、ティファニーはリビアと一緒で範囲外だから安心しろよ。
なあ、ニコ」
「すみません、意味が分かりません」
「だから、ラリマーをこの家に泊めるんなら、夜の間は絶対に部屋から出すなよ。
外からしか鍵の開け閉めができない部屋がいいな。
ティファニー、そういう部屋ってあるか?」