極彩色のクオーレ
本を手にとっては、ラリマーが子どものようにはしゃぐ。
ますますセドナの表情が悪くなっていった。
「この部屋、いつもお掃除していないから、少し埃っぽくてイヤかなって思ったけど……」
「見事に真逆ですね。
というか、全く気にしていない様子ですよ」
「本で大喜びとかマジかよ、あいつ……」
種類の異なる分厚い図鑑を3冊抱えて、ラリマーがわくわくしながらティファニーに向いた。
「ティファニー、オレはこの部屋に泊まりたいぞ」
「え?でも、ここにベッドは無いよ?
布団もスペースが足りなくて敷けなさそうだけど」
「大丈夫、問題ない、ノープロブレム。
野宿で地べたに寝たことだって山ほどあるから、オレは布団なくて平気だよ。
こんだけ大量の本に囲まれて過ごせるんだ、これ以上贅沢したら、バチが当たりそうだ」
「贅沢?」
ティファニーは部屋をぐるりと見回して不思議そうに言う。
知らね、とセドナが素っ気なく答えた。
「それで、鍵はどうしますか?」
「あの様子だと出てこなさそうだし、外にいてもうるせえだけだし、もう閉めちまったらどうだ?」
セドナがどうでも良さそうな声音で言うと、ラリマーが開いていた本を勢いよく閉じ、右手でニコたちに『ストップ』と示した。
「待て待て待て、焦るな!
まだニコに話を聞いたりみっちり観察したりするんだから」
「ニコ、迷惑なら閉めちまえ」
あたふたと本を元あった場所に戻すラリマーを見て、セドナがこれまでいじめられてきた分を仕返すかのように意地悪に笑う。
ニコはティファニーに尋ね、彼女たちが寝る直前までは鍵を開けたままにしておくことになった。