極彩色のクオーレ
「おはようございます」
「今日も早起きだね、ニコよりも早く起きたこ……きゃあっ」
ティファニーが何もないところで躓き、さらに自分の足にも躓いてバランスを崩す。
飛び込んでくるように倒れてきた主人を、ニコはとっさに受け止めた。
「大丈夫ですか?」
「う、うん……。ごめんね、私まだ起きたばかりだから……ちょっと寝ぼけているのかも」
寝間着から着替えてはいるものの、ティファニーの栗色の長い髪はぼさぼさである。
目隠しの結い方もかなり適当だ。
起きて着替えを済ませただけで、すぐにここへ来たのだろう。
また転んでしまうかもしれないから、入口にティファニーを待たせ、ニコは部屋に踏み入った。
散らばる本を踏まないよう、山や塔を崩さないよう、ゆっくりとラリマーに寄る。
「ラリマー、ラリマー、朝ですよ」
声を掛けるが、ラリマーから返答はなく、寝息が続く。
ニコは床に広がっている本の山を飛び越えて、彼の隣に立ち、肩を揺すった。
はずみでラリマーの顔から本がずり落ち、閉じながら床に着地する。
表紙には『植物百科図鑑』と書かれていた。
これを読んでいるうちに、眠ってしまったのだろうか。