極彩色のクオーレ
しばらく食べ進めてから、ティファニーがニコに尋ねた。
「ニコは今日、何かお仕事があるの?」
「んー……時計と懐中ランプと指輪の修理を依頼されていますが、どれも今日中ではないですね。
まあ、はやく直すのにこしたことではありませんが」
「そうなんだ」
「それがどうかしましたか?」
「あ、うん……」
ティファニーの声が心なしか暗くなる。
ちぎったパンを口へ運ぶ手が止まり、軽く俯いた。
スプーンを置いて、ニコは主人を見つめる。
「……レムリアンのこと、ですか?」
「んぐ?」
二人の倍の速さで三倍の量の朝食をかきこんでいたラリマーも、出された名前に咀嚼を止めた。
パンを皿に戻し、ティファニーは少しだけ顔をあげた。
「昨日のこと、やっぱり少し気になっちゃって……。
私は造られたゴーレムを完璧に近づける方法を知らないから、彼のお手伝いとかはできないけど。
だからって、大切な人に自分の気持ちすら言えないなんて、そんなのきっと辛いから」