極彩色のクオーレ





ラリマーが右腕をぶんぶん振った。


左手は唇にあて、口の中のものがはみ出さないように押さえている。



「なんですか、ラリマー」



パンをスープで流し込んで、ラリマーが再び身を乗り出した。


両目をキラキラ輝かせている。



「それそれ、オレが昨夜読んで寝てたの、それなんだよ」


「それってなんですか?」



答える代わりにラリマーが『植物百科図鑑』を持ち、適当なところで開く。



「昨夜見つけて、お前らに見せてやろうって思ってたんだけど、どこだったっけな……


ページ数までは見てなかったんだよなあ、この本に目次はないし。


……あ、あったあった、この花だ」



ラリマーが目的のページを開いたまま、料理に落とさないようニコに渡す。


受け取った本の上下を逆さまにし、ニコは見開きの左上に書かれている文字を見た。



『蜻蛉花(せいれいか)』



見たことも聞いたこともない花の名前だ。


下には三枚の写真があり、その植物が写っている。




< 444 / 1,237 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop