極彩色のクオーレ
ラリマーが右腕をぶんぶん振った。
左手は唇にあて、口の中のものがはみ出さないように押さえている。
「なんですか、ラリマー」
パンをスープで流し込んで、ラリマーが再び身を乗り出した。
両目をキラキラ輝かせている。
「それそれ、オレが昨夜読んで寝てたの、それなんだよ」
「それってなんですか?」
答える代わりにラリマーが『植物百科図鑑』を持ち、適当なところで開く。
「昨夜見つけて、お前らに見せてやろうって思ってたんだけど、どこだったっけな……
ページ数までは見てなかったんだよなあ、この本に目次はないし。
……あ、あったあった、この花だ」
ラリマーが目的のページを開いたまま、料理に落とさないようニコに渡す。
受け取った本の上下を逆さまにし、ニコは見開きの左上に書かれている文字を見た。
『蜻蛉花(せいれいか)』
見たことも聞いたこともない花の名前だ。
下には三枚の写真があり、その植物が写っている。