極彩色のクオーレ
小さな透明な、数輪の花だった。
そのどれもが透明で、まるで水晶を薄く削ってつくったようなものであった。
いや、たとえ名匠によって精工につくられたとしても、ここまで美しくつくることはできないだろう。
自然だからこそ生み出されるような美、はかなさを抱いていた。
「蜻蛉花……」
「え、な、なに?」
ティファニーになるべく細かく伝えると、彼女は見たそうな、見れなくて不満げな表情になってニコの腕をつついた。
少々申し訳なく感じるが、こればかりはニコでもどうしようもない。
話を進めようと、ニコはラリマーに本を示して先を促した。
「それで、この蜻蛉花がどうしたんですか」
「おう、お前この花見たことあるか?」
「いえ、初めてです。
そもそもこのような透明な花が存在することを知りませんでした」
「だろうな、オレもなかった。あ、でも噂で聞いたことならあったぞ」
なぜかラリマーが腕を組んで得意げに言った。