極彩色のクオーレ
ティファニーが杖をしっかりと持ち、反対の手でニコの服の背中を握りしめてみせる。
きりりとした表情ではあるが、両手にしているもののせいでなんだか頼りない。
「人が多いところに行けば見つかるのではないかと思いまして」
「それ、こんな大勢いるところでやっても逆効果にしかならないぞ。
かえって見つけにくいだろうが、ここにレムリアンが絶対に来るっていう可能性だってないし」
数回ぱちぱち瞬きして、ニコがぽんと上に向けた手のひらに拳をついた。
「なるほど、喉からぼた餅です」
「は?」
「お、今かなりぴったりの言葉が言えた。
心の針が増えて、人間に近づけていってますね」
分かりにくいが嬉しそうな口調になるニコに、申し訳なさそうにラリマーが言った。
「ニコ、ニコ、それを言うなら『目から鱗』だぞ。
お前、多分『喉から手が出る』と『棚からぼた餅』と混ざってるんじゃねえか?」
「……さて、ここにいても仕方ないので移動しましょうか、ティファニー」
一拍おいてから、ニコが何もなかったようにティファニーの腕を引いて歩き出す。
思わぬ反応にラリマーはたたらを踏んだ。
「うおい、華麗にスルーかお前!
……ったく、ここまで人間臭いゴーレムも珍しいな」