極彩色のクオーレ
「ラリマー、お、降ろして……」
「わっ、るい!」
地面に両足をつけると、ティファニーは両腕でお腹を抱えて座った。
どうやら腹部にラリマーの右肩がくいこんでいたらしい。
「大丈夫ですか?」
「うん、すぐに良くなるから」
レムリアンが二人を交互に見てからニコに尋ねる。
「コの人タチは、サッきも君ノ傍にイタな?
昨日モ見カケた気がすルが、君の主カ?」
「はい、こちらがぼくの現主人のティファニー、こちらは昨日知り合ったばかりのラリマーです」
「ティファニー、ラリマーか。
それデ、どうシテこんナニ疲レタ様子でイるんダ?」
「お前がそれを言うかよ、お前が」
膝に手をつくだけでは休まらず、腰を降ろしたラリマーが恨めしそうな声を出した。
レムリアンが表情を変えずに口を動かす。
「もしカスルると、ワタシのせいカ?」
「もしかしなくてもお前のせいだぞ」
「ナゼ?」
「それを聞くか!?」
胡座をかいたラリマーが勢いよく顔を上げた。
「お前らはゴーレムだから疲れねえし速く走れるけど、オレは生身の人間なんだよ!
しかもティファニー担いで、お前ら見失わないように追いかけたら疲れるに決まってんだろが。
揃って涼しい顔しやがって、この疲労感分けてやりてえよ!」
「『疲労感』が感情なら、味わってみたいですね」
「冗談だよ!」
(今、絶対に本気だった……)
荒っぽいラリマーの声を聞いたティファニーはひっそりと思う。
するとその耳に、階段を駆け下りるような音が届いた。
最下階に到着したと理解するや否や、玄関のドアがバタンッと開かれる。