極彩色のクオーレ
――ヒュンッ
直後、そこから何かが飛んでくる。
速すぎて影しか見えなかったが、その数は2つ。
たまたまその片方の軌道上にいたニコはそれに気づき、両手でそれを受け止めた。
愛らしい印象をもたせる兎のぬいぐるみだ。
しかし、その雰囲気には全く似つかわしくない大きな刃の鎌を2つ持っている。
それに首を挟まれかけて、ニコは刃を握り締めて攻撃を防いだ。
もう一方は鉈を持った猫の人形で、こちらはラリマーが護身用に携帯しているナイフで応戦する。
よく見ると、どちらも丈夫な紐が複数とりつけられており、そのすべてが玄関に集まっていた。
「これは……人形ですか?」
「うるさいわよ、あんたたち!」
苛立たしげに足を踏み鳴らして、手板を握り締めたリビアが出てきた。
ぬいぐるみの紐は全て、この二つの手板に繋がっている。
今日はシニョンヘアに紺色のリボンと白いレースを飾り、同じようにレースとリボンをたくさん使った、膝丈のワンピースを纏っていた。
小さな城に暮らすお姫様、と表現してもしっくりくるが、浮かべている表情と放っている空気のせいですべて台無しである。
「さっきから人の家の前でギャーギャーニャーニャー!
街中だったらよってたかって怒られているわよ!」
「おお……久々に聞くと耳に響くな。
リビアのヒステリック攻撃」
「なんですって!?」