極彩色のクオーレ
「まったく意味分からないけど、ちっとも好きじゃないわよ、あんなやつ。
どっかで山賊なり獣なりに襲われて、痛い目にあえばいいって何度思ったことか!
それとは逆にしぶとく元気に育ってて腹が立ったわ。
あーあ、神様もいったい何を考えて、あんなアホを成長させたのかしら。
子どもの頃とろくに身長が変わっていなければここまでムカつかなかったわ」
「……そうなんですか」
(セドナといい、ギベオンといい。
この街には、『好き』という感情に素直になれない若人が多いみたいですね。
ここの風土特有の気質でしょうか?)
ニコは唇を尖らせながら漠然とそう考えた。
リビアがこれ以上この話を続けたそうではないと悟り、違う質問をぶつけてみる。
「あと、もう一つ」
「今度はなに?
またラリマーが好きなのかとか変な質問だったらぶっとばすわよ」
「違いますよ。
……リビアはどうして、そんなにも『完璧』を求めるんですか?」
「はあ?当然じゃない」
再び手を止めたリビアは、訳が分からないという表情で自分を見下ろしてくるゴーレムを見上げた。
「あたしだけじゃないわよ、完璧ってのは、職人が目指し追及していくもの。
より性能の優れた、より完成度の高いものをこの手でつくる。
それが、人形職人としてのあたしの夢。
その完璧な人形を操ることが、傀儡子としてのあたしの夢なの」