極彩色のクオーレ
集めた紙を椅子に置くと、リビアは棚から別のスケッチブックを出した。
ページを広げ、その絵をニコに見せる。
「これ。これがあたしの理想、『完璧』なゴーレム」
描かれていたのは、一人の少年だった。
今にも動き出しそうなくらい、細かなところまで書きこまれている。
顔はどことなくレムリアンに似ていた。
「上手ですね」
「お世辞とか言わないゴーレムに褒められると嬉しいわ。
絵は得意なのよ。
でも、絵が描けてもそれで人形はつくれない。
あたしはこのゴーレムをつくるために、今だって勉強しているわ」
確かに、作業場のあちらこちらに、開きっぱなしの文献が転がっていた。
テーブルの下にある本にはすべて、何枚か付箋が貼ってある。
本当につくりたいのだろう、完璧なゴーレムを。
「……それなら、レムリアンを改良しないのは何故ですか」
スケッチブックを持つリビアの手がピクリと動いた。
けれど何も告げずこちらも見ないので、ニコはさらに続ける。
「人は不完全なものに改良をほどこし、それを積み重ねて成長していくと聞きます。
ぼくも少々異なりますが、何かを修理する際、ただ直すだけでは意味がないと判断したときには改良を施します。
同じようにレムリアンも改良すれば、あなたの求める『完璧』に近づくのでは?」