極彩色のクオーレ
--
一方、レムリアンを押し付けられたティファニーとラリマーは、しばらくリビアの家の前に留まってから街へ引き返した。
街でも特にすることがないので、気晴らしにと、ラリマーは2人を連れて広場に向かった。
噴水前に立つ台座に腰掛け、道行く人々の視線を集める。
ちなみに台座には初代街長の銅像が立っていたが、錆がひどくなったことで新しく作り直すことになり、撤去されていた。
「見ろよ、お騒がせ野郎のラリマーだ」
「本当に帰ってたんだ」
「おーい、ルーアンのじいさんとは仲直りしたのかー?」
この街では、ラリマーは割と名が知られているようである。
中には知らない様子の人も複数いたが、台座に胡座をかく若者が面白くて足を止めている。
ラリマーはしばらく投げかけられる言葉に答えてから、深く息を吸い、朗々とした声で話し出した。
それは彼がこれまでに経験してきた旅路の話だったが、どうもそのような風には聞こえない。
まるで完成された一つの物語を語っているような感覚だ。
人形劇を見せているわけでも、紙芝居を見せているわけでもないのに、人だかりは徐々に大きくなっていく。
ラリマーの語りには、人を引きこむ力と、終わるまでその心や興味を掴んで離さない、不思議な力があった。