極彩色のクオーレ
「……驚いタ。彼ハ語り部カ何かなのカ?」
集まった観衆を見て、さほど驚いた様子もなくレムリアンが尋ねる。
その場の雰囲気で大体の人数を把握したティファニーは、顎に指をそえて小首をかしげた。
「どうだろ……誰かに話して聞かせるのは好きだって言ってたけど、それを生業にするかどうかは決めてないみたいよ」
「修業をしテもいナイのニ、あレホどノ語りヲ披露スるこトがデきるものナノか?」
「うーん、分からないけど……。
多分、あれは生まれ持ったラリマーの才能の賜物なんじゃないのかな」
2人はラリマーの声が届くベンチに腰掛け、彼の語りに耳を傾けた。
ラリマーの話は旅のものから、その国のその街に伝わる伝説、出会った人々、見てきた風景……
すべて本当か、はたまた、少しのフィクションを混ぜているのか。
それは分からないが、ただ一つ言えるのは、彼の話が非常に面白いということだ。
話が終わるたびに、観客の最前列に並ぶ子どもたちから「もっと!」という声が飛ぶ。
そのたびにラリマーは嬉しそうに頷いて、新しい話を語り出した。